未だに抜け出せていないトンネル

 実は今まで書いている小説の大半が大学時代にプロットを組んだ物で、その多くが未完成で世に出てないのが実情です。
 社会人になってからも一応作品は書いているのですが、多くは大学時代のプロットの延長という形の物ばかりです。昨年12月に公開した『聖なる夜に祝福を』も、大学3年の時にクリスマスに合わせるために構成した作品の完成版でした(その時は時間的に間に合わなかったものの、半分近くは完成していて後は詰めるだけでしたし)。

 ただ、社会人になって、急にプロットが思い浮かばなくなったのは痛かった。
 何か書こうとしても漠然とした“何か”が出てこなくて、どういう展開がいいのか、その展開でキャラはどうしたのか、というのが全く浮かばない。新しい“何か”が湧いてこないのです。
 なので、大体大筋は決まっている大学時代の代物にばかり頼ってしまい、しかもそっちも思った文章が書けない(時間的にも、精神的にも、気分的にも、そして肝心な文章をまとめる力も)という負の連鎖にはまってしまう悪循環に。思っていても書けないとはなかなか辛いものです。
 ……いえ、決して大学時代のプロットが恥ずかしいとかそういうことではなく。自分自身かなり気に入っている物も数多く存在しますし、珍しく長編になるようなものもありますし。

 最近、ようやく回復の兆しが見えてきました。なんとなくではありますが、時々“何か”がふっと頭を過ぎるようになりました。凄い進歩です。1年近くかかってようやくです。
 ……トンネル抜けられればいいなぁ。