メジャーへの“アコガレ”

イエローサブマリン』という小説を読んでいました。作者は『江夏の21球』『スローカーブをもう一球』でお馴染みの山際淳司さん。特に『江夏の21球』は非常に読み応えがあり、眼を閉じれば情景が簡単に浮かんできます。

この小説の内容を簡潔に説明しますとアメリカ・大リーグを舞台に父はメジャーリーグ球団の買収に、息子はメジャーリーガーになるための成長と葛藤が描かれている作品です。
さらに裏表紙の一文にこんな文章があります。

…(中略)執筆は一九九二年だが、野茂、吉井らの活躍を予見したような設定に(以下略)…

今でこそFA制度やポスティング制度の充実で一流野球選手はメジャーリーグへ簡単に入団できますが、この作品ではマイナーリーグからメジャーへ昇格できるように努力する風に描かれています。
誰もが世界一の舞台でプレイしたいと夢に思っているかもしれないですが、それには努力と運、そして結果が必要になります。イチロー松井秀だって最初からスタープレイヤーだったわけではなく見えないところで努力したからこそ今があるのです。
特に野茂に至っては一度近鉄から引退してまでメジャーに挑戦したわけなのです。夢を追い続けるのであれば全てを投げ捨てる勇気も必要になるのです。
華々しく入団会見を行うのも良いかもしれませんが、時にはマイナーリーグから実力で這い上がって夢を果たすというストーリーもなかなか良いのではないでしょうか?