突発的な休みが出来たので

 冬は基本的に忙しいので土曜出勤も月の半分ある、のですが。ちょっと突発的に土曜と月曜が休みになり、思わぬ形で三連休を頂くことになりました。
 まぁ仕事でストレスを抱え、ボランティアでもストレスを抱え、な状況だったので、折角の休みだから何処か旅行に行こうという気分になりました。金曜日も仕事が早めに終わったので即行自宅に帰ってから最寄のJTBに駆け込む。当初は北陸新幹線に乗って東京スカイツリーに登ろう(※開業前には行ったことあり)と思い東京方面へ行くことを考えたのですが、大学入試のシーズンで軒並みホテルが埋まっていることと切符+宿泊代で4万は下らないことで二の足を踏む。と、思いついて関西方面はどうかと聞いてみたら、こちらは余裕があるとのこと。一日考えた末、関西方面へ決定。行き先は、昨年10月以来何度目かの京都。どれだけ京都好きなんだよ、と思うかも知れません。好きなんだから仕方ないじゃないですか。

 <2/14>
 6時45分のサンダーバードに乗るため、朝食や支度を整えるのを勘案した上で、5時30分起床。なお、なんだかんだと準備していたら前日就寝したのは2時40分頃。しかもその前の週辺りから咳が止まらない風邪模様。
 家を出た瞬間、ムッとした暖気。今日は全国的に気温が高いものの明日は本来の寒さに戻るので寒い方に合わせた服装なので、ちょっとイヤな予感。今回は送りはなく自力で行かなければいけないので、駅まで徒歩。
 ちょっと遅れたので急いだらいつもより早く着いて結果オーライ。但し、代償として家のカギをかけ忘れたり持っていくはずののど飴を忘れたり予想外の強い雨で少し濡れたカバンなどを拭くタオルを忘れたり、異様な温かさで汗だくだったり。コート脱いだら全身青系統でそろっている(靴もABCで買った革靴ながらブルー)という致命的なコーディネイトミスも犯す。自分のお気に入りで統一した結果がこれだよ……。

 前回は移動で時間を喰いまくりだったので、今回は予め行きたい場所の候補をリストアップ。順番を決めたり地図を用意する、といった下準備はやってない模様。
 そして今回はちょっと奮発して、バスと地下鉄一日乗り放題フリーパス(1200円)を購入。これで移動の選択が増えました。しかし、これが後々のフラグになるとは夢にも思いませんでした……。
 
 最初の目的地は華厳寺。前行ったお礼参りです。お守りを返却しようと思いましたが財布の中に入れていたのに探しても見当たらず、「嗚呼、きっとお役目を果たされたからひっそりといなくなったんだな」と勝手に解釈。
 その時のお坊さんのお話で印象に残っている発言。
 「恋愛成就をお願いされる方も多いかと思います。ただ、中には『嵐の櫻井君と付き合いたい』『羽生君と結婚したい』というお願いをされる方もいらっしゃいますが―――無理です」
 前と同じ話もあったけど、違う話もあって楽しく時間を過ごせました。

 バスで移動中、渡月橋のふもとにオルゴール館があるのが目に留まり、気になって立ち寄る。手作り体験もあるということなので、折角なので挑戦。
 まずはベースとなるオルゴールを選び、その台座の上に乗せるパーツや飾りを選んで精算して製作、という流れ。あれこれ選んでレジに持っていくと、なんと4000円に迫る勢い。た、高ぇ……。
曲に合わせてイメージした作品。オルゴールの曲名は想像してみて下さい。財布の都合上パーツは少なめながら、納得の出来。凝り性だから金さえあればもっと高いレベルのものを作っていたかも。
 接着剤が乾くまでの間、近くの蕎麦屋で昼食。箱に包まれたオルゴールを引き取り、移動。

 嵐山まで歩いて嵐電太秦天神川で下車。地下鉄の東西線の始発駅。ここで地下鉄に乗り換え―――
 あれ?ポケットに入れてあったパスが な い 。
 どこかで落としてしまったみたい。クソー、まだ半分しか元取ってないのに!!
 結局切符を購入して京都市役所前まで。目的は本能寺。……しかし、なんか想像していたのと違うのでスルー。
 寺町通りの商店街をどんどんと歩いていき、五条大橋を目指す。扇子屋の本店が近くにある、とネットに書いてあったのでそこに行ってみることに。
 ……見つからない。五条大橋から南東に徒歩5分と書いてあったのに。スマホで調べるも地図は出てこず、それっぽい方角の道を虱潰しに探すもそれらしき建物は見当たらず。諦めて次の場所へ。
 木屋町を抜けて、一旦ホテルに荷物を置くために京都駅へ向かうバスに乗車。車内で一日乗車券(バスのみ)を買い直す。

 場所を探す勘は良い方だと自覚しているし、実際に何度も自分の直感を信じて歩いたらすぐに見つけることが多かったのですが、今度はホテルを探して彷徨うハメに。八条口の目の前の道路に面しているなんて思ってもいなかったよ。
 前日に手配したのは、京都駅からも近く、朝食バイキングが通常1400円するところ先着3組に限り200円で頼めるプランが残っていたのでチョイス。……え?今日宿泊するホテルってこんな高級感溢れる場所なの?というのが第一印象。
 フロントもオシャレ。こんな若い人が一人で泊まっていいの?と若干尻込み。
 旅行代理店を通してホテルを手配すると、値段が安くなる代わりに見晴らしが悪かったり狭かったり設備が古かったり、ということがよくある話。いざ部屋に入ってみると……そんなことありませんでした。
 窓からは東寺の塔が見え、部屋もそんなに狭くないし、加湿器も小さい金庫もあればお酒を飲む際にボトルを冷やすオシャレな小物まで完備。今まで泊まった中で一番凄い部屋だなぁ……。

 ちょっと早いけど夕食。京都なので和食、おばんざいをターゲットに、八条口のレストラン街を歩く。色々と候補を絞りながら一番奥まで行き着いた先には……先日一時間半待たされた挙句に提供まで一時間かかると告げられて泣く泣く断念した洋食屋。こっちにもあったんだ。
 5時を少し過ぎた頃にも関わらず既に2名×2組の待ち。でもあまり待たされずすんなり店内へ。カウンター席に通され、目の前には厨房が。ラッキー。厨房で働く人を眺めているのって結構楽しいから好きなんですよね。
 注文したのはハンバーグのトマトソースと前菜とライスのセット。ライスとパンが選べてそれぞれお代わり自由。前菜は丸々一個のトマトにちょっとドレッシングを敷いただけ、というシンプルなものながらあっさりしていて美味しい。前菜を堪能しながら無駄のない動きをするスタッフに目を奪われる。
 そしてメインディッシュ登場。―――やっぱり、美味しい。付け合せの野菜もトマトソースに漬かって味が染みていてこれだけでご飯が進む進む。でもハンバーグはそれ以上にご飯と合う。野菜だけでほぼご飯を平らげて、すぐにお代わり。ハンバーグとトマトソースの相性は抜群ながら、さらに上に乗った目玉焼きの黄身を混ぜるとさらに格別。白身はトマトソースと絡めて。最終的にご飯を三杯平らげる。フォークやナイフもあったけど箸で食べる洋食ってのも乙だと感じるのは私だけでしょうか。
 勢いに乗ってデザート追加。見知らぬ土地でアルコールが入るのは些か不安なので、お酒の入ってないキャラメルショコラを選択。付け合せにバニラアイスがあるのは、何年か前にデザートを追加で頼んだ時と変わらず。まずはバニラアイスを。口の中で濃厚なバニラの風味が溶けて、甘い。キャラメルショコラは上のカラメルが苦いものの、それがいいアクセントになっていて甘さを引き締めて美味しい。中にナッツが入っていて食感も楽しい。
 あまりに美味しそうに食べていたからか、隣の隣に座っていた夫婦の旦那様から声がかかる。「美味しそうに食べていたから、何を頼んだの?」ということから始まり、「ここは美味しいよね」と一致し、奥様は私と同郷ということで話が弾む。今日は伏見を観光してきてその帰りに立ち寄った、とのこと。
 ……本当に、外食って雰囲気と味で楽しむんだな、と改めて実感。

 ご飯食べてホテル戻っておやすみ―――なんて大人しいことは考えていません。夜の京都も堪能しないと!目指すは、花街・祇園。今まで行ったことないのでちょうどいい!(はず)
 入り口に来て気付く。ここ、来たことある。裏通りに入ると、地元のひがし茶屋街と雰囲気が似ていることに気付く。
 折角来たんだし大人な雰囲気を少しでも味わいたいと、ちょっと店先のメニューを覗いてみる。……何、この値段。一回の食事に使う金額じゃない!?一桁ゼロが多いよ!!流石、祇園。あらゆる意味で格が違う。
 メニューを眺めて即座に撤退ということを何度も何度も繰り返し、ようやく手ごろな値段でお茶出来る場所を発見。席チャージ料250円かかるお店なんて人生初の経験。大人しくチャージ料のかからないベンチに座る私も私ですが。アルコール飲めないのでカモミールブレンドを注文。ちょっと余韻だけ楽しむ。

 21時前にホテルに戻り、ゆったりモードに。財布のレシート類を整理していたら華厳寺のお守りが出てくる。お役目果たして勝手にいなくなるなんてムシのいい話、ある訳ないか。
 日付が変わる前に就寝。

 <2/15>

 6時に目が覚めるも、二度寝。7時に起きる。
 8時過ぎに2階のレストランにて朝食バイキング。まぁよくある和洋食の簡易バイキングかな〜、と思いきや……何このラインナップ。卵料理だけでだし巻き・温泉玉子・スクランブルエッグ・オムレツと4種類もある!?パンも定番ものからパン屋で売っているような凝ったものまで豊富な取り揃え。漬物に至っては京都の漬物が数種類だと!?
 1食目→和食、2食目→洋食、と味わう。3食目で既に七分目の腹なのでご飯を少なめに盛るも、ご飯の量に対して強い個性のおかずばかりチョイスするという、ペース配分を間違える致命的なミスを犯す。
 デザートも色々持ってきて甘い物ばかり先に食べて酸っぱい物が後になるという順番を誤るミス。

 身支度を整えて10時チェックアウト。昨日見つけたお守りに一筆添えて郵送するべく、駅の反対側にある中央郵便局へ。その後、伏見方面へ向かうべく近鉄線のある八条口へ。……あれ?一周してない?

 近鉄に乗って桃山御陵駅を目指す。第一目的地は、寺田屋
 商店街を抜けて、ようやく寺田屋に到着。しかし様子がおかしい。隣接する公園の門は閉まっているし、観光名所なのに人の気配もない。受付時間は10時からだが腕時計を確認すると既に過ぎている。
 “月曜休み”
 ……やっぱりか。
 平日月曜はこれがあるから困る。休日の次の日が休みってよくある話だし。
悔しいので写真だけ撮影して次の目的地へ。滞在時間、およそ1分。

 今度は京阪で伏見稲荷駅へ。駅名から推測出来ると思いますが、次の目的地は伏見稲荷神社。
千本鳥居を眺めながら奥へ奥へと突き進む。前を広がってのろのろ歩く外国人観光客に若干イライラしながら、ずんずんと階段を歩いていく。奥へ行くに従い、人口密度も少なくなり快適に千本鳥居をくぐっていく。それに比例して……だんだんと息が上がる。前日とは打って変わって冬の寒さが戻ったにも関わらず最終的にはコートを脱いで長袖を捲って半袖になる。このキツさ、延暦寺を山道で登って以来だぞ。整備されている道なだけ楽な分、先が見えないのは精神的に参る。昨日出逢ったご主人が言っていた「途中で帰った方がいい」は確かに金言ながら、ここで諦めると何か負けた気がするので最後まで行くことに。
 歩き始めて40分くらいで一の峰に到達。歩くことに集中していて途中のお宮さんはスルーしてきたが流石に拝む。途中の神々の皆様、申し訳ないです。そこまで意識が向きませんでした。
 帰り道、『おもかる石』なる石を見つける。願い事をしてその石を持ち上げて、軽ければ願い事が叶う、というものらしい、よし試しにやってみるか、と願い事を念じながら持ち上げる。到底軽いとは思えず。あーあ、前途多難。
 参内道に戻り、ちょっと遅めの昼食。稲荷寿司を二つとうずらを注文。うずらなんて初めて見たので興味本位で。お店の人から「骨まで食べられる」ということで食べてみたけど……これは好き嫌い分かれそう。照り焼き風味に味付けされていて美味しかったけど。

 再び京阪に乗って清水五条へ。お土産を買うために茶碗坂へ。
 前に行った和菓子屋に行くも、名物のわらび餅は中国人の爆買いで一時間かかるとか。その辺をふらふら散策するから大丈夫、と伝える。また戻ってくるということで手荷物を預かってくれると言われたのはありがたかった。
 向かいの扇子屋で京扇子を購入。今回は鮎のデザインで、扇子袋にも鮎が入っているもの。清水坂へ行って毎回行っている漬物屋で漬物を購入。ここで深刻な状況に陥っていることに気付く。
 残金、2000円を切る。
 電車の時間もあるので京都駅まで徒歩。伏見稲荷を踏破した影響からか脚に疲れが見えるも、強行。京都駅近辺に到達するもまだ時間には余裕があったのでスタバで時間を潰すかと考えるも店内は満席。仕方なく京都駅に向かい、ぶらぶらと探すことに。
 目に留まったのは、先日の日帰り旅行で夕飯にありつけないピンチを救ってくれたお店。店先にはコーヒー240円の看板。嗚呼、この店はどうして困っている私に救いの手を差し伸べてくれるのだろうか。1時間長居するのでMサイズ(290円)を注文して席に座る。途中、疲れからか何度も意識が飛ぶ。

 17時過ぎに京都を出発。琵琶湖が見えた辺りから雪に包まれ、福井駅を出る頃には外は銀世界に。これまずいだろ、と心配していたら金沢は思った以上に積もってなくてホッとする。

 <後日談>
 一家揃って甘い物好きにも関わらず、お土産のわらび餅は全員好きじゃないということが判明。一人で三人前を食べきる。