暮らしを便利にする道具、人を不幸にする凶器

 昨日(土曜)、私事ですが事故に遭いました。

 昨日は午前中に毎週通っている馴染みの喫茶店へ。まったり本を読みながらコーヒーを飲んで、お店にある時計が正午のチャイムを鳴らしたのでお店を後に。
 天気も良かったので自転車に乗って自宅に帰ろうと走って間もなく、歩道に人が多かったので車道に。
 路駐している車の横を通り過ぎている最中、車の運転席がいきなり開いて、私の自転車を真横から直撃(多分)。自転車ごと道路に叩きつけられました。
 多分……と注釈をつけたのは、事故の時のことを覚えていないから。いきなり衝撃を受けて、倒れこんで、痛みが走って……と感覚で覚えているという感じです。

 で、事故現場と言いますか、近隣の状況について。
 現場は片側一車線ながら道幅がそれなりに広い道路……なのですが、実は観光名所となっている市場に面している道路。観光バスや市場で働く車、観光で来た車や地元民の車、さらにタクシーと主要道路ではないのですが車の往来はそれなりにある道路なのです。実際、事故現場のすぐ近くには観光バス専用の駐車場もあります。
 普段から路駐も多いのであまり車道を走らないのですが(大型バス一台通ると自転車が走れるだけのスペースがないのもあります)、昨日はやむなく……といった感じでした。
 で、何が言いたいかと言いますと……私が倒れた直後に車が通ったら、間違いなく轢かれていました。後続に車が居ないタイミングだったので二次被害には遭いませんでした……それだけはホントに不幸中の幸いでした。今考えただけでもゾッとします。

 倒れた直後、運転席から60代くらいの男性がすぐに駆け寄ってきました。その後に助手席から同年代と思しき女性の方が。多分夫婦だと思います。
 「あんちゃん大丈夫か?」「ゴメンな、見てなかったわ」と何度も何度も謝ってくれました。
 痛みはありましたが、歩けない・動けないほどではなく「……大丈夫です」と答えました。自転車も(多分)壊れてなく、無事。その後も何度も「大丈夫?」「ごめんな」と夫婦揃って謝られました。相手の方も本当に悪いことをしたと思っていたみたいなので、名前も連絡先も聞かず。
 「まぁ、警察も救急車も呼ぶ程ではないな」と判断して、その場を後に。私が立ち上がって歩き出してからも助手席の女性の方が車から声を掛けて、そのまま走り去っていきました。

 立ち上がった直後は痛みから自転車に乗れず歩いていましたが、その後回復して自転車に乗って自宅へ。約10分ほどで帰宅しました。
 が。
 事故の衝撃やら痛みやらで頭が回らなかったのですが、帰る途中から冷静に自分の状況が明らかに。
 右肘は道路に倒れこんだ際に出来たと思われる擦り傷で出血。それと左の太腿、左手の甲に痛み(多分車のドアが当たった時の傷)。左手の甲に関しては赤くなっている上に時間経過と共に腫れが。擦り傷に関しては水道水で洗って絆創膏を貼りましたが、左手の甲の腫れは徐々に痛みが増している感じ。
 「……これ、一応病院行っておくか」と、スマホで土曜の昼からも診察してくれる整形外科を検索。14時から診察可能な病院を見つけ(ネット上の情報なので一応確認のため電話→大丈夫とのこと。「頭を打っていたら整形外科は受けられない」と言われましたが、こちらはOK)、そちらへはそれなりに距離があったので、車で行くことに。

 14時少し前。病院に到着して怪我の経緯を説明すると、受付の方から「警察の方には届出ましたか?」「健康保険ですか?」と質問が。
 ……この時、初めて自分が「あ、これって事故なんだな」と実感しました。
 問診票に怪我の経緯について書いて、問診を受けてからレントゲンへ。それから先生から診断の結果……
 ・右肘の擦り傷→特に言及なし
 ・左の太腿→大体全治1週間程度の打撲(骨に異常なし)
 ・左手の甲→全治2週間の打撲(骨に異常なし)
 診断結果を受けて、骨が折れてなかったことにホッとしました。右肘はガーゼの上からネットを被せ、左手は湿布を貼ってネットを被せて終了。

 治療代を支払った後、「これ一応警察の方に届出しておくか」と思い立って、事故現場の最寄の交番へ。
 事故状況を説明して、交通課の人が来て状況を説明して、色々あって1時間ほど。
 で、警察の方(特に交通課の人)から言われたこと。
 『事故に遭ったら(仮に自分が大丈夫と思っても)絶対に警察を呼んで下さい!!
 気が動転していたとは言え、後々面倒なことになるかも知れないから警察は絶対に呼べ、と特に交通課の人からきつーくお叱りを受けました。自分が不問としたので、治療費を請求したいとか相手を見つけたいなんて微塵も思っていませんが、今思えば治療費くらいは請求できたかな、と。
 その後さらに自転車を見たいということで、自宅に置いてある自転車を警察の方が確認。最終的には17時前くらいに終わりました。
 まぁ、その後に馴染みの喫茶店→いつも行っている書店と出掛けたのですが。

 池袋の暴走事件だったり、大津の事故だったりで昨今車が凶器となる事件事故が多発していますが、今回のことで車は動いてなくても凶器となりうることがよく分かりました。
 自分も車を運転する身ですので、ドアを開ける時は必ず前後の状況を確認した上で開けるように心掛けていますが、今回被害者となりましたがもしかしたら次は加害者になることだって充分に有り得ます。
 ……今回のことを教訓に、事故があったら訴える気がなくても警察は呼ぶことと、車は動いてなくても人を傷つける凶器となることを、胸にしかと刻み付けたいと思いました。