ネグレクト(育児放棄)

秋田小一男児殺害事件の加害者がネグレクトの疑いがある、というワイドショーの報道があったのは皆様も知っているでしょうか。なかなか新聞紙面には載っていないのですが、複数のテレビ局ではそのように報道しております。
ネグレクトとは養育者が養育の権利を著しく怠慢または放棄することを指します。高齢者や病人の養育放棄も該当しますが、一般的には児童虐待の意味に使われます。児童虐待の分類として身体的虐待(例:殴る・蹴る等)・ネグレクト・性的虐待(例:わいせつなことをする等)・精神的虐待(例:子どもを貶す、激しく罵倒する等)が挙げられますが、平成16年度児童相談所に寄せられた児童虐待の件数でネグレクトは約30%の割合を占めておりました。児童相談所に寄せられる数は年々増加の一途を辿っており、また児童相談所に相談されたケースのため氷山の一角という噂もあります。

ネグレクトの具体的な例としまして『パチンコ店の駐車場に停めた車の中に子どもを放置』『子どもを風呂に入らせない・下着を替えさせない』『子どもを褒めない・子どもに無関心』等があります。ネグレクトは精神的にも身体的にも未成熟な状態で、尚且つ発達段階の子どもの成長を大きく阻害してしまいます。また、子どもは親以外に頼る人が周りにいないため、ネグレクトを受けていたとしてもそう簡単に親元から逃げ出すことはできません。その結果最悪の場合死に至らしめるケースも何件もあり、早急な対処が必要だと考えます。

ネグレクトについて関心を持たれた方は『誰も知らない』という映画を是非オススメします。ネグレクトが題材の映画ではありませんが、1980年代に発生した『巣鴨子ども置き去り事件』という事件を元に作られています。カンヌ助演男優賞を受賞した作品ですので是非ご覧下さい。