軽快な作風と怒涛の展開で目を離す時さえ惜しまれる

県庁おもてなし課 (角川文庫)

県庁おもてなし課 (角川文庫)

 単行本発売当初は序盤の展開がイマイチ作品の世界へ入っていけず、購入まで結びつきませんでした。具体的には吉門が名刺で忠告した辺りまでざっと。
 そして今年『県庁おもてなし課』が映画化、そして書店にも単行本が山のように積まれました。何故一度躊躇った本を購入したかと言いますと、ゴールデンウィークにドライブで高岡まで行った際にちょっと道を聞くために書店に立ち寄った時に「手ぶらで聞くのもアレだな」と後ろめたくなってついでに購入しました。なので期待度はそんなに高くありませんでした。
 購入を後押ししたのはネット上で読んだレビュー。『早くくっつけとヤキモキする』『有川ワールド全開』という文言が当時斜め読みした感覚と異なっていたのが頭の中にインプットされ、購入することにしてみました。
 ―――詰まった部分を抜けると一気に目が釘付けになりました。次から次へと繰り広げられる展開、一度食いついたらタダでは離さない軽快な文章。『おもてなし課』での奮闘ぶりもそうですが、有川浩作品の象徴とも言えるもどかしい恋愛模様も必見です。読んでいて「早くくっつけや」と内心何度も叫んでしまいましたよ。
 有川浩さんの作品を読んだことのない、って方にもおススメです。是非一度読んでみてください。